2013年2月13日水曜日

セーター完成 - シンプルな幽体離脱セーター

いろいろなニッターさんのブログを見ていて実は気になっているのが、ダンナさん、彼氏など身近な成人男性に何か編んでいるかどうかということ。

Ravelryを見てもわかりますが、男性用のパターンって数が少ないし、編まれている数も圧倒的に女性ものより少ないと思う。理由としてはいくつか簡単に挙げられるんだけど、

  1. 編む分量が多い。すなわち、必要な毛糸の量もたくさん。延々と編んでも終わらない。
  2. デザインがシンプルなものが多いのでモチベーションが上がらない。変わったデザインとか、頑張った割には相手に好まれないことが多い。色もベーシックなものが中心。無難すぎて編んでいて気持ちが高揚しない。
  3. 自分、またはお子さんのものを編むのに手一杯で、そっちまで手が回らない。
  4. そもそもダンナさん、彼氏が手編みに興味ない。編んでほしいと言わない。

そんなところでしょうか。1〜3に関しては、編む側の努力、もしくは忍耐でなんとかなるかもしれないけど、4はねえ、どうしようもないですよねえ。

で、ウチの場合はどうかというと、これが真逆(笑)。 私が編み物をしていると、「何編んでるの? 俺の?」とあきれるほど無邪気に聞いてきます。自分のじゃないと知るとちょっと寂しそう(笑)。なんかワンコっぽい。そして、こんな初心者の下手くそな編み物なのに、編んであげるとうれしそうに着ている。見るからに編み目が揃ってなかったりして、こっちが恥ずかしくなっちゃうくらい。

でも、喜んでもらえるなら、ニッター冥利に尽きるってもんですよね。ええ、幸せ者であります。そして編みました。今回はなんと、バレンタインデーに初めて間に合いましたよ!


じゃん! 地味であります(笑)。これ以上ないってくらいベーシック。我ながら恥ずかしくなってきたので、もうこれくらいで画像は勘弁してください。あ、もう1枚だけ。


弁解するわけではないですが、男のおしゃれとは奇をてらわずベーシックなものを上質の素材で着こなすものである、と思っているので、これでいいのです。・・・本当は相棒はアランセーターが好きということも知っているのですが、こちらの技術が追いつかないので、そのうち、ね。

パターンはHeidi Kirrmaierさんのフリーパターン「Simple Summer Tweed Top Down V-Neck」。使用糸はパピーのシェットランド。上質な素材で、と言った以上、ちょっとフンパツしました(笑)。前から編んでみたかった憧れの糸。モチモチしていて触り心地がいいですねー♪

見てお分かりの通り、トップダウン、シームレス、ラグラン、Vネックという4大基本要素をすべてクリア。 ヒネリはどこにもありません。だけど、パターン自体は「ご自由にどうぞ」的なよくいえば懐の深いパターンで、割とアバウトな感じなので思った通りに仕上げるにはなんらかのアレンジやカスタムが必要かもしれません。構造がシンプルなので、初心者でもアレンジしやすくて、編んでいて楽しかったです。指定糸より細い糸なので、ゲージの段階でうんうん唸って考えたり、Vネックの仕上げ、リブ編み、袖の減らし目などなど、いろいろいじりました。一目ゴム編み止めも頑張ったしね!

とはいえ、メリヤス編みの特訓かっていうくらいメリヤス続きでありました。「メリヤス砂漠」という表現をあちこちで見かけて、うまいこと言うなあと感心していたのですが、まさにその状態といえましょう。メリヤス砂漠・・・変化がない、味気ない、退屈ということなのでしょうね。でも私、実はメリヤス編み好きなのです。

海外のニッターさんが「mindless knitting」という表現をされていて、うん、まさにそんな感じだと思いました。ときどき意識が飛ぶ(笑)。ちょっと瞑想っぽいところが好き。ヨガの一形態として「編みヨガ」なんかどうかしら(笑)。

ときどき幽体離脱しながら編んだセーター、早速相棒に渡すとやっぱり喜んで、その日着てくれました。が!「丈がもうちょい長いといいな」という注文が。ふふふ、トップダウンなので私にも簡単に修正できますよ。